仮想通貨などの投資の世界に置いて「噂で買って事実で売る」という格言・名言があります。
短期投資において意識されている言葉で、好材料の発表後に価格がなぜ下がるのか、投資行動の理由を解説しています。
今回は「事実売り」の投資法でどれぐらい稼げるのか画像を用いて初心者にも分かりやすく実践できる検証をしてみました。
噂で買って事実で売るとは
「噂で買って事実で売る」とは投資で稼ぐための格言の一つです。
短期投資において意識されている投資行動のことで、プロジェクトや企業の動きを見ることで「次はこんな発表をするのでは?」といった企業との提携、取引所の上場、新製品の発表などの噂がマーケットに流れたタイミングで銘柄を買い、発表後に売る一連の行動を指します。
仮想通貨の世界ではプロジェクトチームから「○日に発表があります」といったアナウンスがされることがあります。
これが「噂」であり投資家目線では「期待」とも言い換えることが出来ます。
「どんな発表をするのだろう?」と期待感と注目が高まるに連れて、それまでその銘柄に興味がなかった人たちにもその事が伝わり価格が大きく上昇します。
しかし、期待感が異常に膨らんだマーケットではほとんどの発表の後すぐに価格が下落します。
これは「期待はずれ」や「材料の出尽くし」から起こる下落で、よほどの好材料でもなければ一時的には発表前の価格から下がり、短期的な相場の調整にもなります。
好材料の一覧
規模のでかい材料になればなるほど事実売りからの反発が強く、価格が上昇していく傾向にあります。
逆に小規模の好材料の場合は価格の変動が起きない、もしくは噂が出始めるより価格が下落する可能性があります。
投資家の期待を煽るアナウンスをすればするほど、その期待感と事実の乖離が大きくなり相場に影響をもたらします。
仮想通貨の世界では以下のような好材料が挙げられます。
小規模の好材料
- 中小企業との提携
- 開発のアップデート
中規模の好材料
- 大企業との提携
- 取引高6位以下の取引所上場
- アプリケーションのリリース
大規模の好材料
- 政府・国家レベルの提携
- 取引高1~5位の取引所上場
- メインネットリリース
過去の実例チャート
XVGのPornhub提携
時価総額上位に位置している「XVG(Verge)」では2018年3月中旬に「有名大手企業と提携を予定している」とアナウンスがあり、ホルダーを中心に大きな話題になりました。
それまで400satoshi程度だった価格が最高1350satoshiまで噂買いが殺到し、およそ+350%まで価格を大きく上げました。
発表された企業は「Pornhub」という男性なら誰でも知っているほどの大手アダルト動画サイトでしたが、価格は約40%も下落しました。
最高値が発表の一週間ほど前で、そこから少しずつ「事実売り」を見越した事前の売りが起きているのがチャートからも見て取れます。
事実前に売って押し目買いをすれば稼げる
「噂で買って事実で売る」の格言からも分かるように好材料の発表後はほとんどの場合、短期的な下落をするため、発表前に全て売却して利益を得ておくのがおすすめです。
「好材料の内容が気になるから…」という理由でホールドしておくのも戦略の一つですが、内容の善し悪しに限らず世の中の投資家は「事実売り」を実践しています。
事実売りを避けるために好材料が投下される1日前や半日前にすべて利確し、下落したタイミングで拾い直す「押し目買い」をすることでさらに稼ぐことが出来ます。
事実売りをした人も好材料の内容が期待できるものであれば、その後すぐに拾い直すので相場はすぐに噂が出る前以上の価格に戻ります。
おすすめの事実売り投資法
短期投資のための「事実売り」は利益を得るために賢い投資行動であることを解説してきましたが、初心者の方は「どこで書い直せばいいか分からないから怖い」と感じてしまうでしょう。
しかし下落する価格にも限度があり、人間の心理的に「ここまで落ちたら買おう」という一定のサポートラインが存在します。
それがフィボナッチリトレースメント(フィボナッチ級数)です。
フィボナッチ級数を意識する
フィボナッチとはイタリアの数学者レオナルド・フィボナッチ氏が研究した「フィボナッチ級数」に由来し、リトレースメントは「戻り、引き」を意味する言葉です。
「100%・78.6%・61.8%・50%・38.2%・23.6%」の横線から成り立つサポート(支持)とレジスタンス(抵抗)の判断指標で、テクニカル分析でも用いられています。
例えば元々500円のものが1000円まで上がり、その後、500円まで下がればさすがに買いたくなりますよね。
600円なら?700円なら?…と続けていくと人間が心理的に買いたくなる黄金比のようなラインが出来てきます。
フィボナッチリトレースメントについてはこちらの記事でも解説しています。
この数字に従って指値をしておけば、多くの場合底値で拾い直す事ができます。
先程のXVGのチャートで直近の底値325satoshiと、発表前の高値1350satoshiに線を引いて解説していきます。
この高値と底値の上昇幅は、
1350-325=1025 であることが分かります。
この上昇幅の数字にフィボナッチ級数の代表となる数字「61.8%・50%・38.2%」の3つを掛けてみます。
- 1025×(1-0.618)=391.55
- 1025×(1-0.5)=512.5
- 1025×(1-0.382)=633.45
という数字が出てきます、これが最高値から下がるラインの目安となります。
計算方法は「最高値-(上昇幅×(1-フィボナッチ級数))」で割り出すことが出来ます。
- 1350-391.55=958.45
- 1350-512.5=837.5
- 1350-633.45=716.55
太文字部分が「ここまで下がるかも」というサポートラインの目安になります。
これに当てはめて再度チャートに線を引いてみましょう。
サポートラインを引いてみた所、61.8%のラインは割ってしまいましたが、50%と31.2%のラインではいい感じで拾えている事がわかります。
50%のラインも一度は割っているものの強く反発している陽線が一つあるので、多くの人が意識しているラインと言えるでしょう。
効果的な指値の方法
このことから分かる通り、どこまで価格が下がるか分からない場合は、フィボナッチ級数に従って指値をしておくことが効果的です。
1BTCの資産がある場合、私はこのように指値をします。
- 960satoshi:0.25BTC
- 840satoshi:0.5BTC
- 720satoshi:0.25BTC
50%のラインで反発することが多いので、その部分に多めに指値をしています。
このように複数の指値をしておけば大きく価格を割ってしまってもダメージを減らすことが可能で、その後の反発で利益を得ることが出来ます。
「半値戻し」だけでも覚えよう
フィボナッチリトレースメントの分析ツールを使うことで簡単に割り出すことが出来ますが、ツールの使い方が分からない場合や、計算するのが面倒な方は「半値戻し」という言葉だけ意識しておくといいでしょう。
半値戻しとは先ほど説明したフィボナッチ級数の50%のラインのことです。
要するに「上昇幅の半分は下がる」という事で、多くの人が半分は下がる(上がる)と見越してそこに指値をしてきます。
私自身も「半値戻し」は強く意識しているので、複数の指値をする場合は必ずその部分だけ資産の割合を多めにしておきます。