仮想通貨投資では通常の通貨の購入だけでなく、特定の企業や組織がプロジェクト上で発行するトークンに投資を行う「ICO」というものが存在します。
今回はそんなICOにおける「プレセール」と「クラウドセール」の販売形式の違いや特徴について分かりやすくまとめてみました。
ICOってそもそも何?という方はこちらの記事を参考にしてください。
ICOのトークンが上場(取引)されるまでの流れ
ICOが発行するトークン(仮想通貨)を手に入れるためには主に3つ段階があります。
- プレセール
- クラウドセール
- 上場後の取引所で売買する
3の上場後の取引所で売買は仮想通貨投資を経験した方ならなんとなく意味はわかると思います。
海外取引所やビットフライヤーなどの国内取引所に上場すれば、ビットコインや日本円で自由に売買することができます。
しかし、一方の「プレセール」と「クラウドセール」は上場前の入手方法になります。
それを踏まえた上でこの2つの違いについて紹介していきます。
プレセールとは?
プレセールとは非公開のトークン販売方式です。(プリセールとも言われます)
非公開でありながらも、一部の大口投資家やプロジェクトから近しい人物などにしか公表されない公募のため、一般の方には公開されないことがほとんどです。
トークンを入手する一番早い方法ですが、プロジェクトの詳細なども公表されてない状態で行われている事が多いので、プロジェクトの中の人と繋がりや信用がなければかなりハイリスクな投資と言えます。
その反面、トークンの価格は後述する「クラウドセール」よりも安い価格で提供されるためプロジェクトが成功すれば大きな値上がり益を得ることができます。
安くなる金額はプロジェクトによってバラバラですが、およそ30~50%ほどの割引率となっています。
プレセールの特徴
- 最安値でトークンを手に入れられる
- 一番早くトークンを手に入れられる
- プレセールがない場合もある
- リスクが一番高い
- 一般の人はほとんど参加できない
クラウドセールとは?
「クラウドセール」とは先述したプレセールの次の段階で行われる販売方式のことです。
ICOの多くはこれで主な資金源を調達しています。
基本的にビットコインやイーサリアムを投資する形式で誰でも参加することが可能になっており、一週間や一ヶ月など特定の期間での販売が行われています。
クラウドセール期間が来る前にプロジェクトチームも公式サイトやメディアを使ってプロジェクトの中身やロードマップを公開するので、ネット上にも情報が充実してきます。
そのため、プロジェクトの中身を精査すれば上場後に価格が高騰するものを見つけることもできます。
比較的安い金額で購入することができますが、プレセールよりも高い金額でトークンを購入することになります。
しかし、上場後にプロジェクトの進捗や評判が悪ければ、このクラウドセールの価格から下回る価格で取引されてしまう「ICO割れ」を起こしてしまうリスクもあります。
もちろんプレセールに参加した方も「ICO割れ」が起きてしまうリスクはありますが、プレセールの価格は公表されないことがほとんどです。
そのため、クラウドセールの価格を基準として上場後は価格が推移するのが一般的です。
クラウドセールの特徴
- プレセールより高い価格で買うことになる
- 早くトークンを手に入れられる
- 販売期間が限られている
- ネット上に情報が充実している
- 上場して価格割れを起こす場合がある
どっちで買うのがおすすめ?
プレセールはハイリスクな代わりに、上場後に高いリターンを獲得することができますが、プロジェクトに携わっている人物との繋がりなどがなければ持ち逃げされてしまう可能性もあります。
クラウドセールでもそのリスクは付き物ですが、プロジェクトの評判がネット上に出てくるので、悪いものは見極められるようになります。
基本的に「プレセール」は一般の方に公表されていない販売方式なので、どっちかを選んで購入する…という事はほとんどありません。
「クラウドセール」が始まってしまえばプレセールは終了するため、クラウドセールが始まってしまった場合はクラウドセールか取引所に上場後購入するしかありません。
上場後の価格変動に要注意
取引所に上場した直後は、プロジェクトの評判次第で価格が大きく乱高下します。
ICOが終了した2〜3ヶ月以内にはどこかの取引所に上場するのが一般的ですが、その間にプロジェクトの悪い噂が流れればクラウドセール参加者が売り抜けようとします。
逆に大企業との業務提携などの話が進めば、クラウドセールに参加していない人から「上場後に買いたい」という需要が発生します。
プレセールによって販売が行われているICOではプレセール参加者による売り圧も考慮する必要があります。
トークンの販売枚数や、運営チームやパートナーの保有割合をチェックしておくことで上場後にどれぐらいの価格変動が起きるかシミュレーションしておきましょう。
こちらの記事では良いICOと悪いICOを見極める方法を紹介しています