皆さんは株や仮想通貨の売買でチャートが大幅に変動した時になんとなく体感で「買われすぎでは?」「売られすぎでは?」と考えていると思います。
価格が上がり下がりを終えたタイミングで売買するべきかどうかを見極めるには、感覚だけでなく「RSI」というテクニカル分析の指標を元に計算することが出来ます。
今回は数値から買われすぎ・売られすぎを把握する分析手法を紹介します。
RSIとは
RSIとは「Relative Strength Index」の略で、株や仮想通貨などの投資において「買われすぎ」「売られすぎ」を把握する方法として使われるテクニカル分析です。
14日間の変動額の数値を元に算出された相対的なデータにより、客観的に相場の過熱具合を判断することが出来ます。
一般的にはその数値が70%を超えれば買われすぎ、30%を下回れば売られすぎと言われています。
RSIは70以上で買われすぎ30以下で売られすぎ
では参考に、2017年12月にビットコインの価格が暴騰したときのチャートを見てみましょう。
「Cryptowatch」というツールでは一番下に表示されています。(※チャートツールによっては表示できないものもあるので注意)
3ヶ月で100万円から200万円まで高騰したタイミングではRSIエリアのグラフが常に高い位置にあることがわかります。
少し見づらいですが、白っぽくなっている部分はすべて70%を超えている部分で、ほぼ常に「買われすぎ」状態であったことがわかります。
経験者の多い株価などであればRSIが70を超えると価格下落の調整があることが一般的です。
バブル相場の場合は「上がってるなら買うしか無い!」という投資初心者が大量参入してくるためこのような形になりがちです。
ではRSIが30%を下回ったときのチャートも見てみましょう。
こちらは2018年4月のビットコインが70万円を下回ったときのチャートです。
今度はRSIが下側に白く飛び出ていることがわかります。これがRSIが30%を下回った瞬間で、すぐに反発して30%以上に戻っています。
経験のある投資家たちはどこが底値かを確認する一つの指標としてこれを使っているため、「RSIが30%を下回ったから買おう」と投資行動に出るわけですね。
RSIを知らない投資初心者からすると、体感的に「どこまで下がるか分からないから買うのは止めよう…」とチャンスを損失してしまいます。
RSIの計算式
パターンA(簡易版)
- RSI=A÷(A+B)×100
- A=14日間の値上がり平均
- B=14日間の値下がり平均
RSIは前日価格を比較した14日間のデータが必要になるため、15日分のデータが必要になります。
では実際に15日間のデータを取得してRSIを算出してみましょう。
日数 | 価格 | 変動額 |
---|---|---|
1日目 | 100円 | ー |
2日目 | 120円 | +20円 |
3日目 | 100円 | ▲20円 |
4日目 | 130円 | +30円 |
5日目 | 110円 | ▲20円 |
6日目 | 150円 | +40円 |
7日目 | 170円 | +30円 |
8日目 | 130円 | ▲40円 |
9日目 | 180円 | +50円 |
10日目 | 250円 | +70円 |
11日目 | 220円 | ▲30円 |
12日目 | 180円 | ▲40円 |
13日目 | 160円 | ▲20円 |
14日目 | 190円 | +30円 |
15日目 | 200円 | +10円 |
16日目 | 170円 | ▲30円 |
Aを求めるために、プラスとなった変動額の平均値を出します。
(20+30+40+30+50+70+30+10)=280円
平均を出すためにこれを14で割ります。
280円÷14日=20=Aの数値
次にBを求めるために、マイナスとなった変動額の平均値を出します。
(20+20+20+40+30+40+20)=190円
平均を出すためにこれを14で割ります。
190円÷14日=13.57=Bの数値
- A=20
- B=13.57
- RSI=20÷(20+13.57)×100=59.57
この価格推移の場合のRSIは「59.57」となり、中立を保っています。
パターンB(応用版)
2日目以降のRSIの計算式を出す場合は以下の計算式を使用します。
- RSI=A’÷(A’+B’)×100
- A’=前日のRSI×(残日数)+値上がり平均
- B’=前日のRSI×(残日数)+値下がり平均
ですので、パターンAの16日目のRSIを計算する場合は下記のような計算になります。
Aの数値20に日数13日を掛けて260。
値上がり平均を足すのですが、下落している場合は0を足して14日間で割ります。
A’=260÷14=18.57
Bの数値13.57に日数13日を掛けて176.41。
値下がり平均を足すので、30を足して14日間で割ります。
B’=(176.41+30)÷14=14.74
16日目のRSIは下記のとおりです。
- RSI=18.57÷(18.57+14.74)×100=55.75%
パターンBの計算は少々複雑なので、無理に出す必要はありません。
気になる直近の日にちや前日までの数値を参照して15日分のデータがあれば、パターンAを使って簡単に出すことが出来ます。
RSIの表示は対応していない取引所も多いので、自身で計算することができれば強みになります。
海外の大手取引所「Binance」が対応しているので、ぜひ活用してみてくださいね。