金融アクセスを拡大する仮想通貨「XLM/STR(Stellar/ステラ)」に関する特徴や将来性、買うことの出来る取引所や買い方、対応ウォレットと保管方法について紹介しています。
XLM(Stellar)はどのような仮想通貨なのか、プロダクトの紹介や口コミについてもまとめているので参考にしてみてください。
目次でサッと確認
XLM(Stellar)とは
XLM(Stellar)は2014年7月4日に誕生したマウントゴックスの創設者ジェド・マケーレブ氏が中心となって開発されたリップルをベースに開発された仮想通貨です。
誕生初期はStellar(ステラ)という名前で呼ばれており通貨の略号もSTRとなっていましたが、2015年のネットワークアップグレードに伴い名前が変更され、現在はLumens(ルーメン)/XLMという名前が正式名称です。
そのため、取引所によって略号や呼び方が異なります。
XLMの特徴は以下の通りです。
- 歴史の長い仮想通貨プロジェクト
- 銀行・決済システムを繋ぐ
- リップルをベースに開発された
ステラはリップルと同じように国境を越えた送金を可能にした仕組みを搭載しており、お金、人、銀行をつなぐ金融インフラ・プラットフォームになることを目指しています。
主な違いは、リップルが銀行の金融システムの仲介役としてインフラを支えるのに対して、ステラは個人向けの決済手段として使われることを目的としています。
そのため、価格の変動が起きないように総発行枚数が毎年1%増加するシステムが使われています(後述)
ステラは金融インフラ手段として、メールを送るような感覚で簡単に送金、管理、受け取りが可能になっています。
海外への送金なども高い手数料や為替レートで損をしてしまうことが普通ですが、ステラではサービス内で自分の好きな金額で仮想通貨からドルや円などの法定通貨への換金も自由自在です。
ネットワークはブロックチェーン上で管理されているため、送金は第三者から改ざんされる心配もなく安全に運用されており、必要とする手数料もごくわずかです。
送金には銀行口座を必要としないため、自身の口座を持っていない後進国や貧困層で暮らす人々もスマホ1台あればそれを窓口としてお金のやり取りが可能になります。
現在の金融システムは複雑かつお金もかかるので全員がそのサービスを受けることが出来ません。
こういった問題を解決すべく、金融アクセスを拡大することでお金の流通ややり取りを世界中の人々が享受出来るように利用拡大を進めています。
ステラは非営利団体のStellar Development Foundationが運営しています。
非営利団体ということもあり、運営の透明性が重視されるため、以下のような給与や安全性、ガバナンスなどが公開されています。
- 運営メンバーの給与
- 四半期予算
- プログラムの詳細/仕組み
- サインアッププログラムに参加した総数と配布コイン数
- 受領した申請件数、付与された申請件数、配布スケジュール
- 増加したアクセスプログラムの詳細と進捗状況
- ビットコインプログラムの詳細と進行状況
- 財団が保持する全ルーメン
また、ステラネットワークは制限なく商業利用も可能になっています。
スパム対策に優れた取引システム
取引の際に必ず基本手数料0.00001 XLMが設定されており、これはスパム対策やDoS攻撃に有効な仕組みになっています。
悪意のあるユーザーは送金遅延などを発生させるためにロボット等を使用して超高速で少額決済を繰り返すいわゆるDoS攻撃をすることがあります。
しかし、取引には0.00001 XLMが必要となっており、口座を使用するには最低20XLMを必要とするため悪意のあるユーザーが大量に口座を作成してネットワークをダウンさせることは出来ません。
手数料を設定することで、有効なアカウントだけを保証して安全なネットワークを確保しています。
独自アルゴリズムSCPについて
XLM(Stellar)は独自の取引承認アルゴリズムSCP(Stellar Consensus Protocol)を採用しています。
当初はリップルで採用されている「Ripple Consensus」を使う予定でしたが、機能の一部に問題があり、新たに2015年にSCPを開発しました。
この2つは仕組みがよく似ています。
通常、仮想通貨の取引ではAからBに送金する際それをネットワークを支える人たちが確認して複数の承認を得ることで送金が完了します。
Ripple Consensusではこの承認率が80%以上なければ、ブロックチェーンの分岐(ハードフォーク)が発生するリスクがあります。
SCPではこの頻発するハードフォークの可能性を抑えるように、80%以下の承認率でも送金が行われるように改良されています。
アカウント作成にはFacebookアカウントが必要
ステラのアカウントを作成するためには「Facebook認証」が必要になっています。
これは中国での利用急増による価格の変動が原因で制限を課したものです。中国ではFacebookを利用することが出来ないため、認証を必須化することで価格を落ち着かせています。
発行枚数は毎年1%ずつ増加する
XLM(Stellar)は総発行枚数1000億XLMが発行されており、リップルと同じ枚数流通していきます。
基本的には取引されるたびに徐々に流通枚数が減少していくため、価格が上昇していく傾向にあるのが普通です。
XLM(Stellar)では、この1000億枚をベースに毎年1%ずつ総発行枚数が増加する仕組みを採用しています。
これにより、価格の変動を抑制して安定した価格を維持することを可能にしています。
開発チームの保有枚数が少ない
非営利団体が運営しているXLM(Stellar)ですが、開発チームの保有分は全体の5%ととても少ない枚数で構成されています。
リップルでは開発チームが25%もの枚数を保有しているのと比べると、多くの枚数が市場に流通しており、開発チームによる売り圧のリスクが少ないのも魅力です。
分散型取引所「StellarX」がリリース済み
StellarX is launched–free trades, fiat onramp, all kinds of tokens! Still lots to do. But here's a look at where we are and where we're going. https://t.co/BnHGwxD8E0
— StellarX (@stellarxhq) September 28, 2018
2018年9月にはブロックチェーン上で動作している非中央集権型の取引所「StellarX」を正式にリリースしました。
人の手によって運営されている既存の取引所と違い、取引、入出金などが全て自動化されており、ハッキングリスクが少なく運用コストが少ないというメリットがあります。
プロジェクトの開発が順調に進んでいる様子がわかります。
XLM(Stellar)の基本情報
通貨名 | XLM |
---|---|
公開日 | 2014年7月31日 |
最大発行枚数 | 1000億XLM+年1%増加 |
公式サイト | https://www.stellar.org/ |
ホワイトペーパー | こちら |
XLM(Stellar)のチャート
2017年までは発行枚数の多さから0.2〜0.3円という安さで取引されていました。その後、仮想通貨バブルの影響で価格が高騰し5月で6円まで上昇しました。
リップルをベースに開発されていることからリップルの価格変動と似た動きをする性質があるため、投資する方はそちらの動向も見ておくことをおすすめします。
XLM(Stellar)の将来性・今後
ナイジェリアの通信会社が採用
XLM(Stellar)はナイジェリアの通信会社であるParkwayが決済手段としてモバイル・マネープラットフォームに採用しています。
開発途上国では先進国と違い、銀行口座を開設するには身分証明書やお金などが必要になるため、銀行口座を持っていない国民も存在しています。
しかし、スマートフォンを持っている人は少なく、ほとんどの方が所有しています。
Parkwayではこの現状を逆手に取り、ステラネットワークを活用することでスマホでも手数料ほぼ無料で少額取引を行えるサービスを提供しています。
既にナイジェリアの5大通信事業者と提携しており、送金を国内外問わずどこにいても決済することが出来ます。
世界最大の金融コンサルティング会社との提携
世界最大の金融コンサルティング会社と言われている「Deloitte」社では、ステラのマイクロペイメント(少額決済システム)を利用しています。
このブロックチェーン技術を使用して、スマホで24時間いつでも・どこでも」使える銀行(コアバンキング分野)の革新を目指しています。
既に共同開発によりプロトタイプが開発され、取引手数料を従来比で40%削減、送金から着金までの時間も5秒という短さで完了します。
公共料金の支払いにも採用されている
フランスの会社TEMPOはステラのシステムを採用することで、ヨーロッパから世界へ低コストで高い透明性の送金を可能にしました。
将来的には、多くの人に使ってもらえるように普及を進め、最終的には1500億ドル規模の送金が見込まれます。
TEMPOのサービスを利用することで、通信、電気、ガス、水道、保険などの公共サービスの国境を越えた支払いが可能となります。
Binanceに上場済み
XLM(Stellar)は既に全世界取引高ナンバーワンの「Binance」に上場しています。
そのため、現時点での認知度はとても高く、その他の仮想通貨と同じように投資家の期待を集めています。
流動性も高くなっているため「買いやすい」という点において優れているといえます。
XLM(Stellar)の取引所・買い方
※XLMは現在日本円で直接買うことはできません。
国内の取引所でビットコインを購入し、以下の海外取引所で交換することができます。
- Binance(バイナンス)
- BitMAX
- Bitmart
- Bittrex
- LATOKEN
個人的にはセキュリティ面もしっかりしているBinanceはおすすめです。
XLMを買うまでの手順は以下のとおりです。
- 国内の取引所でビットコインを買う
- Binanceにビットコインを送金
- ビットコインでXLMを購入
国内の取引所登録は、セキュリティレベルが高く海外取引所へのビットコイン送金手数料が無料のDMMBitcoinがおすすめです。
XLM(Stellar)の口コミ・評判
ステラさん改めてみたけど優秀だよね
なぜか日本じゃ流行らんけど
xrpと比較されることあるけどそもそも性質がちがうしなぁ
どっちも評価してる人はやっぱり見る目あるなと思う
ガチホしたい銘柄の一つやね$xlm— ピエールヌメライ《漢》 (@swingtradema) March 28, 2018
xlmって毎年1%総発行数が増えるんだけど
それじゃ値段が上がらないだろいい加減にしろ!って思う人も!いるよね
でもこうした方が実用性という面では使いやすいと思うんだ
まぁ市場規模が広がればもうちょい上がりそうだけども
$xlm— ピエールヌメライ《漢》 (@swingtradema) March 1, 2018
$XLM
決済系とplatform系が大好きなのになぜ#XLMを呟かないのか。
…だってみんな知ってるじゃん。
と思ってたけど、意外と詳しくは知られてないのね。
なので少しだけ。(書ききれないから)
……続く— シイタケさん(ちょめ)《漢》 (@chome_0310) February 15, 2018
XLM(Stellar)の公式ツイッター
This meet-up is reaching capacity! We just released a limited amount of additional RSVPs, so grab one now if you want to attend!
— Stellar (@StellarOrg) 2019年4月4日
XLM/STR(ステラ)のウォレット・保管方法
XLM/STR(ステラ)は下記の既存のウォレットを使用して保管しておくことをおすすめします。
(取引所に預けたままにしておくとハッキングによって失う可能性があります)
Ledger Nano S
「Ledger Nano S」は仮想通貨のウォレットで最も利用者数の多いハードウォレットです。ハードウォレットの中でも比較的安価で購入することが可能で、持ち運びも便利です。
外部ウォレットとの連携など機能も充実しているので、仮想通貨投資をしている方に必須のアイテムと言えます。
TREZOR(トレザー)
「TREZOR(トレザー)」は仮想通貨のハードウォレットの一つです。タッチパネルに対応しており、日本語マニュアルなども充実しており初心者におすすめです。
PCを持っていなくても仮想通貨を持ち歩くことが可能になっており、国内の主要通貨を始め、500種類以上の幅広い通貨に対応しています。
XLM(Stellar)は買うべき?
XLMですが、実際に買うべき銘柄なのか気になるところですよね。
管理人の独断と偏見で、以下のポイントをチェックした上で買うべきかどうか考察してみました。
XLMの評価
プロダクトの将来性 | |
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時価総額の安さ | |
単価の安さ | |
取引所の少なさ | |
コミュニティの人気度 | |
総合評価 |
高い時価総額と実需に向けた送金に特化した機能は安定性が期待できる通貨と言えます。
しかし、後発の通貨と比べると今後の普及までは時間がかかりそうです。
個人が仮想通貨を使って送金するのが当たり前の時代が来るまでは、じわじわと時価総額を上げるような存在になると思います。