中国発のICOで生まれた仮想通貨「TRON(TRX/トロン)」に関する特徴や将来性、取引所での買い方、対応ウォレットと保管方法について紹介しています。
TRON(TRX)はどのような仮想通貨なのか、プロダクトの紹介や口コミについてもまとめているので参考にしてみてください。
ICOってそもそも何?という人はこちらの記事を参考にしてください。
目次でサッと確認
TRX(トロン)とは
TRONは分散型ストレージを用いてクリエイター・コンテンツ作成者向けのシステム構築を目的に開発されています。
分散型ストレージと言われても何なのかピンとこない方も多いと思います。
例えば、私達が今使っているパソコンやスマホの中にある写真データはバックアップがないまま壊れてしまうとそのデータは消えてしまいます。
別のUSBメモリに移しても、それが壊れたり、紛失してしまったらデータはなくなります。
分散型ストレージとはそんなデータ紛失のリスクを最小限に抑えながら、データを保存するコストも最小限にする、ネットワーク技術で多くのサーバー(ストレージ)をつなげる技術を指します。
ストレージを分散することで、容量を増やしたり、どこかのストレージが壊れても別のストレージを代用することでトラブルに対応することが出来ます。
話を戻すと、この分散型ストレージの中に世界中のクリエイターたちが動画や音楽、絵などの創作物をアップロードします。
「Youtubeでも足りているじゃん!」と思う人もいるかもしれませんが、現在の動画サービスなどの仕組みでは無断転載やコピーを防ぐことが出来ません。
また、無断転載によってクリエイターに適切な報酬が払われない可能性もあります。
TRONではブロックチェーン技術を用いることで、クリエイターがネット上にアップした作品を記録し、コピーされることを防ぎます。
そしてクリエイターに対してTRXなど仮想通貨をチップ感覚で気軽に送ることも出来るようになり、不要なログインや個人情報を入力する手間からも解放されます。
分散型ストレージを用いたサービスの開発
先述した分散型ストレージを用いたサービスは現在まだ開発中です。
しかしプロダクトに対する期待値はとても高く、2017年9月にICOで資金調達を開始した所、わずか30秒でTRXが売り切れてしまうほどの注目を集めています。
サービスのプロトタイプすらない段階でコレだけの人気がある所を見ていると、実際にサービスが開始されて実需が広がり始めたらどれだけ時価総額が伸びるのか期待が高まりますね。
ICOが何なのか気になる方はこちらの記事を参考にしてみてください。
マーケティング力が高いCEO
TRON(TRX)の創業者であるJustin Sun(ジャスティン・サン)は広州共産主義青年団によって設立された青少年のインターネット開発協会の副社長を努めた凄腕のCEOです。
News and details are coming soon! https://t.co/8NQHmOStdq
— Justin Sun (@justinsuntron) January 12, 2018
また中国で人気の音楽サービス「Peiwo」の開発者でもあります。既にユーザー数も1000万人を突破しており、とどまるところを知りません。
アリババの創業者でもあるジャック・マーが設立した大学にも招待されており、年間40人しか受けられない講座コースにも合格しているという華々しい経歴を持っています。
以前は中国のリップル(XRP)ラボの最高責任者もしており、経験の豊富さだけでなくマーケティングの部分でもそのパワーを遺憾なく発揮しています。
ジャスティン・サンの経歴
- 2011年 北京大学 卒業
- 2013年 ペンシルベニア大学院 卒業
- 2013年ー2016年 Ripple Labの最高責任者
- 2013年ー現在 PEIWO CEO兼会長
- 2017年ー現在 TRON 創業者
また2018年にはOCN(オデッセイ)のチーフアドバイザーも努めています。
TRX(トロン)の基本情報
通貨名 | TRX(トロン) |
---|---|
公開日 | 2017年8月28日 |
最大発行枚数 | 990億枚 |
公式サイト | https://tronlab.com/ |
ホワイトペーパー | こちら |
TRX(トロン)のチャート
2017年9月の上場直後は発行枚数の多さもあり、1枚あたり0.2円ほどで取引されていました。
しかし、仮想通貨バブルの影響で2017年12月〜2018年1月で一気に価格は上昇。
時価総額6位にまで浮上した1月5日にはなんと26円まで上昇し、最高130倍もの上昇率を見せています。
日本人の投機熱とCEOのJustin Sun氏のマーケティング効果による暴騰だったため、その後一気に10円台まで価格を戻しました。
TRX(トロン)の将来性・今後
既に大手会社との契約済み
既に1000万人の会員を持つシンガポールの自転車シェアリングサービス「Obike」や、中国で人気の音楽サービス「Peiwo」との提携が完了しています。
また、中国のAmazonとも言われている「アリババ」との提携の噂もありました。
実際にアリババの関連グループである「Aliexpress(アリエクスプレス)」では既にTRXが実用段階にあるため、何かしらの繋がりがあるのは確かです。
時価総額6位まで浮上した実績
TRONの勢いがすごいです。買っておいてよかった。お小遣い程度ですが。#trx #仮想通貨 #時価総額 #ランキング #6位 pic.twitter.com/XKaHRbMI73
— 偽わたなべ@リップル (@9VHjbpzSZGynB7n) January 5, 2018
TRXは同時期に好材料が重なり、2018年1月5日に仮想通貨の時価総額ランキングで6位まで浮上した実績があります。
NEM(XEM)を抜き、急上昇でTOP10入りしたインパクトで一気に認知が広まり、これをきっかけにTRXの存在を知った投資家たちのコミュニティも加速度的に拡大しました。
一度時価総額を上げた通貨はその後も注目を集め続けるので、持続的な好材料になる可能性が高いです。
マカフィー砲で期待を集めた
Tron is a long term Hodl. Those who are flipping it are losing out.
— John McAfee (@officialmcafee) December 26, 2017
仮想通貨業界で話題になっている、あのアンチウイルスソフト会社のCEOのマカフィーが毎週気になる仮想通貨を発表する通称「マカフィー砲」でTRXは指名された実績があります。
ツイートを翻訳するとこのように語っています。
トロンは長期的にホールドする仮想通貨であり、それをひっくり返す(売る)人は負ける。
かなり強気の発言ですが、このマカフィー砲でも時価総額が一気に伸びており、マカフィーの影響力の強さを感じます…。
ICO時点で開発が行われていなかった疑惑
2017年9月にICOが行われ、多くの新調達を行ったTRXですが、12月にGithubのソースコード(プロダクトの機能)が公開された際に有識者が「プロダクトに何も機能がない」と指摘がありました。
ICOを行った時点では何もプロジェクトがスタートしていない状態で、あくまでも資金調達が完了してから動き出す予定だったそうですが、それを知らされていない投資家の間でちょっとした騒動になったようです。
もちろん、事前告知されていない部分は問題がありますが、今後調達した資金を用いてしっかりと開発が行われれば詐欺ではありません。
しかし、将来的にプロダクトが完成するのか?という部分については今後も開発の動向を注意深く見ておく必要がありそうです。
ホワイトペーパーの盗作疑惑
2018年1月にはTRXで掲載されている英語版ホワイトペーパーの約9ページ分がIPFSとFilecoin(ファイルコイン)のホワイトペーパーからの盗作である事が発覚しました。
内容は丸々コピーではなく構成や言い回しが似ているという部分から両方の著者であるJuan Benet氏からツイッターで指摘を受けました。
これに対してSun氏は「外国版のホワイトペーパーはすべてオリジナルの中国語版をボランティアが作成したものでその過程でミスが生じた」と弁明しており、盗作は認めておりません。
その後、公式ページからは一時的に英語版だけでなく中国版のホワイトペーパーも削除されたため、真相は不明になりました。
しかし、この時公開されていたホワイトペーパーには参考文献などの情報や、TRXのブロックチェーンの仕様についての情報もほとんどなかったため、とても違和感のある内容であったことは間違いないようです。
この問題について、Sun氏は「ホワイトペーパーの情報は古くなっているため、最新の情報はGithubを参考にして欲しい」と言っています。
2018年6月21日からメインネットローンチ
TRXは元々イーサリアムをベースに開発されていたERC20トークンでしたが、2018年6月21日以降は独自開発のブロックチェーン(メインネットローンチ)することが決定しました。
#TRON wouldn’t be where we are today without #Ethereum. But we want to solve issues when we see them. Stay tuned for a $TRX airdrop today! Use #TRX to experience our high TPS platform & join the #TRON democracy—#ETH offers neither. https://t.co/zvQjnzO7Zu
— Justin Sun (@justinsuntron) April 21, 2018
これに合わせてイーサリアム所有者に対して累計3000万TRX(約1.5億相当)のエアドロップイベントが開催され、1ETH以上所有しているホルダーに対して10~100TRX配布されます。
また、メインネットローンチを記念して、総発行枚数の1%に値する10億枚のTRXのバーンを行うことを発表しました。
バーンとは焼却を意味する言葉で、その名の通り通貨を使えなくすることです。これをすることで、相対的に1枚あたりの通貨の価値が向上する仕組みになっています。
BitTorrent社の買収とBTTトークンの発行
TRXは2018年8月にBitTorrent社を買収されており、BTTを導入し共同でプロジェクトを進めていくことを発表しています。
「BitTorrent」は2001年に誕生し、既に世界中で約1億人以上が利用している「P2Pネットワークソフト」の元祖です。
P2Pネットワークとはブロックチェーン技術の基本となるシステムのことで、ブロックチェーンはP2Pネットワークの技術を応用して作られています。
それに伴い、ネットワークの効率化・インセンティブ制度を作成するためにTRXをベースとしたBTTトークンの発行をしています。
2019年1月にはBinanceからICOが行われ一瞬で資金調達が完了し、高い注目を集めています。
ロードマップ
- エクソダス(2017年8月〜2018年12月)―データの自由化
アップロード、配布が可能な分散型ストレージの土台作成、プラットフォームの完成とリリース - オデッセイ(2019年1月〜2020年6月)―コンテンツへの権限付与
TRXをネットワーク上で使用可能に。コンテンツ提供者への報酬支払い - グレートボヤージュ(2020年7月〜2021年7月)―個人によるICOを可能に
TRX所有者への配当支払い、ファンコミュニティからファンファイナンスへの転換 - アポロ(2021年8月〜2023年3月)―分散型取引プラットフォームの構築
ユーザーによる独自通貨の発行が可能になる。分散型取引プラットフォームを完成させる。 - スタートレック(2023年4月〜2025年9月)―ゲームコンテンツの分散化と市場予想
TRXを通じてゲーム開発者が自由にオンラインゲーム開発が可能になる - エターニティ(2025年9月〜2027年9月)―分散化されたゲーム
ゲーム開発者がプラットフォームを通じてクラウドファンディングが可能になる
2018年1月23日にはエクソダスの完成が発表されており、ロードマップは前倒しで進んでいることがわかります。
TRX(トロン)の取引所・買い方
※TRXは現在日本円で直接買うことはできません。
国内の取引所でビットコインを購入し、主に以下の海外取引所で交換することができます。
個人的には2段階認証などセキュリティ面もしっかりしているBinance(バイナンス)がおすすめです。
TRXを買うまでの手順は以下のとおりです。
- 国内の取引所でビットコインを買う
- Binanceにビットコインを送金
- ビットコインでTRXを購入
国内の取引所登録は、セキュリティレベルが高く海外取引所へのビットコイン送金手数料が無料のDMMBitcoinがおすすめです。
TRX(TRON)を一番安く買える取引所
TRX(トロン)のニュース
時期 | ニュース |
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2019/1/18 | BTTのトークンセール開始 |
2019/1/12 | BitTorrent社がTRXベースの トークンBTTを発行 |
2018/12/28 | TRXMarketに新規ペア追加 |
2018/11/30 | 120億円規模のゲーム基金 TRON Arcade設立 |
2018/11/8 | indacoinへの上場 |
2018/11/6 | Koineks二条城 トルコリラペア追加へ |
2018/10/21 | 中国大企業「百度」と協力関係へ |
2018/8/30 | TronWalletがアプリストアで公開 |
2018/8/16 | LINE取引所BITBOXへの上場 900万エアドロップイベント開催 |
2018/7/29 | BitTorrent社を買収 |
2018/7/20 | Changellyへの上場 |
2018/7/7 | MIDEへの上場で日本円ペア追加 |
2018/6 | メインネット稼働開始 |
2018/4 | Bittrexへの上場 |
2018/1/23 | ホワイトペーパー盗難の疑惑 |
TRX(トロン)の口コミ・評判
https://twitter.com/taskyouaka/status/952328303779528704
たぶん直近は上場しても提携しても、ヨコヨコか下がると思う…
プロダクトもないしね…
本当に上がるタイミングは大口の資金が流れ込んだとき…
あくまでも上場や提携は、世間に認められるための点数稼ぎ…
だと思ってます…#TRX #TRON— tksaaan (@t_k0709) January 11, 2018
まぁtronはいまは1歩ずつしっかりとプロジェクト進めていってくれ
ジャスティンの人脈とプロダクトが交差すれば一瞬や#trx #TRON— ゆうき十代@仮想通貨 (@taikakusen1117) January 12, 2018
TRX(トロン)の公式ツイッター
TRON Announcement to Recent Rumors #TRX#TRON$TRXhttps://t.co/SOM0xGBLGF
— TRON Foundation (@Tronfoundation) January 16, 2018
TRX(トロン)のウォレット・保管方法
TRX(トロン)は下記の既存のウォレットを使用して保管しておくことをおすすめします。
(取引所に預けたままにしておくとハッキングによって失う可能性があります)
Ledger Nano S
「Ledger Nano S」は仮想通貨のウォレットで最も利用者数の多いハードウェアウォレットです。ハードウォレットの中でも比較的安価で購入することが可能で、持ち運びも便利です。
外部ウォレットとの連携など機能も充実しているので、仮想通貨投資をしている方に必須のアイテムと言えます。
TREZOR(トレザー)
「TREZOR(トレザー)」は仮想通貨のハードウェアウォレットの一つです。タッチパネルに対応しており、日本語マニュアルなども充実しており初心者におすすめです。
PCを持っていなくても仮想通貨を持ち歩くことが可能になっており、国内の主要通貨を始め、500種類以上の幅広い通貨に対応しています。
My Ether Wallet
MyEtherWallet(マイイーサウォレット)とはイーサリアム(ETH)、イーサリアムクラシック(ETC)を含む、ICOなどで発行されているERC系トークンを保管出来る無料のデスクトップウォレットになります。
秘密鍵を自身で管理する必要があるので、パソコンなどがハッキングされない限りは安全に管理する事が出来ます。
TRX(トロン)は買うべき?
クリエイターに向けたプロダクト開発のポテンシャル秘めているTRXですが、実際に買うべき銘柄なのか気になるところですよね。
管理人の独断と偏見で、以下のポイントをチェックした上で買うべきかどうか考察してみました。
TRXの評価
プロダクトの将来性 | |
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時価総額の安さ | |
単価の安さ | |
取引所の少なさ | |
コミュニティの人気度 | |
総合評価 |
コンテンツを作成するクリエイターたちと仮想通貨の相性はよく、絵や写真、音楽や動画など幅広い場面で使われる通貨と考えるとプロダクトの将来性は熱いです。
既にある程度の時価総額を付けているため、伸び率は少ないかもしれませんが、単価の安さで心理的な買いやすさは高いです。
既にコミュニティが形成されており、話題性も抜群の通貨なので今後プロダクトが完成していくに連れて時価総額も上がっていくでしょう。