ソーシャルレンディング「クラウドバンク」の安全性についてまとめました。運営企業の「日本クラウド証券」の健全性、財務分析について紹介します。
この記事では
- クラウドバンクの安全性について
- 運営の日本クラウド証券について
- 日本クラウド証券の健全性・財務分析
について分かりやすく紹介しています。
サービスの特徴についてはこちらを参考にしてください。
クラウドバンクの運営企業「日本クラウド証券」の安全性
クラウドバンク運営の日本クラウド証券社の概要
- 2013年12月会社設立
- 資本金:1億円
- 日本初の第一種金融商品取引資格を持つソーシャルレンディング
- 第一種・第二種金融商品取引業取得済み
不動産、再生可能エネルギー、ローンファンドなど様々な融資先を提供しているソーシャルレンディング「クラウドバンク」を運営しているのは「日本クラウド証券株式会社」です。
創業は2013年2月にみどり証券株式会社(旧 ディー・ブレイン証券株式会社)に対して株式公開買い付けを実施し、2013年4月に屋号を変更して誕生しました。
2013年12月に「クラウドバンク」をスタートし、5年間で応募金額440億円を突破する実績を挙げています。
累計応募金額440億円に対して、償還金額は320億円としっかりと償還されていることもわかります。
(運用中のファンドもあるため応募金額よりも低くなるのが普通です)
日本で初めて第一種金融商品取引資格を持つソーシャルレンディングで、毎年右肩上がりに業績を伸ばしています。
安全性①:実質平均利回り6%超え
クラウドバンク一番の人気の理由は利回りの高さです。
その実質平均利回りは2016年の運用実績で”6.78%”を記録しており、銀行預金や国債と比べても好利回りで運用することが期待できます。
- クラウドバンク:6.78%
- 外貨預金:2.3%
- S社社債:1.47%
- 定期預金:0.11%
※クラウドバンクは2016年運用終了したファンド実績値です。
株式投資やFXと比較してもクラウドバンクが事前に精査した投資先を選ぶことで、元本保全性が高いのも魅力です。
投資先を決めれば、放置しているだけでも安定してリターンを得ることが期待できます。
安全性②:過去の貸し倒れ率0%
投資先を決める上できちんと回収できるかは気になる所ですよね。
クラウドバンクは2014年からのサービス開始以降、貸し倒れ率0%の実績を出しており、過去一度も元本割れを起こしたことがありません。
出資者の資産保全のために、審査チームが事業者の信用調査を事前に行い不動産や売掛債権などの担保を設定します。
また、原則として資金需要者の代表者が債務を連帯保証しており、元本保全姓を考慮しています。
回収率100%となっており、原資以上の金額は手元に残るので安心して投資先を決めることが出来ます。
安全性③:第一種金融商品取引業の免許を取得している
クラウドバンクは「第一種金融商品取引業」の免許を取得しており、大手ネット証券会社と同程度の安心感があります。
二種免許と違い、純資産が5000万以上あるか、規制を遵守しているか、自己資本規制比率を守っているかといった厳格な条件を満たしている必要があります。
具体的には、資本金や純資産が5000万以上あり信頼性が高いという特徴があるため大きな安心材料と言えますね。
日本クラウド証券は過去に行政処分を受けている
クラウドバンク及び、日本クラウド証券について調べてみると2017年5月に金融庁からの行政処分を受けて3ヶ月の業務停止命令を下されています。
処分を受けた理由については以下の通り。
- 手数料返還キャンペーンの手数料が還元されていなかった
- 平成28年1月~7月までの投資案件で事実と異なる融資を行っていた
手数料キャンペーンについては既に手数料の還元を行っています。
後者については当時から社長も交代しており、当時の運用資金は全額返還済みです。
行政処分以降は特に問題や、投資先の貸し倒れなども起きていないので健全な運営が行われていると考えていいでしょう。
日本クラウド証券はグループ企業の一つ
この記事では「クラウドバンクの運営企業=日本クラウド証券」としていますが、実態を見てみると日本クラウド証券もグループ企業の一つとなります。
「クラウドバンク株式会社」のグループ会社の一つで、日本クラウド証券は金融商品取引業登録をしており、ファンド募集や資金調達などを行っています。
グループ全体の信用性をはかるには「クラウドバンク株式会社」のIR情報を確認していくことが重要です。
クラウドバンク株式会社の健全性・財務分析
クラウドバンク株式会社は上場企業なので、公式サイトでIR情報が公開されています。
こちらはH28年~29年度のデータです。
第3期中のデータ
- 自己資本比率(自己資本÷総資本):10.15%
返済義務のない資金源である自己資本比率は40%以上欲しい所ですが、10.5%と低い数値となっています。
今後はこの部分の数字を上げられているかが重要なポイントになるでしょう。
平成27年に関東財務局から行政処分を受けたことで、業務管理体制、経営管理体制の改善や強化などの出費があり、収益基盤についても業務停止の影響により減収状態となっていました。
平成26年3月期に8期ぶりに黒字計上をしていますが、翌年には損失を計上しています。
そのため、今後のグループ全体の収益改善が重要課題となっています。
クラウドバンク株式会社の財務分析をしてみた所、やや財務状況が気になる会社ということがわかりました。
クラウドバンクは今後の成長に期待
クラウドバンクの安全性
- 創業から5年以上の運営
- サービスは右肩上がりに成長中
- 財務状況はやや不安がある
ご覧頂いたとおり、クラウドバンクの運営は財務状況にやや不安があるものの、サービス事態は右肩上がりに成長しています。
倒産(デフォルト)の可能性もゼロではないので、最終的にはご自身で投資判断を行うようにしてくださいね。