FXの自動売買が出来る資産運用サービス「トラリピ」で損失を抑えるためのリスク管理方法についてまとめました。
投資初心者の方も予めリスクを減らすための方法を理解しておけば、失敗して元本割れする危険性を減らすことが出来ますよ。
トラリピの特徴や評判はこちらにまとめています。
目次でサッと確認
トラリピの主なリスク(元本割れする理由)
トラリピで考えられる主なリスクはこの2つです。
- 逸脱リスク
- 損失リスク
それぞれどのようなものか具体的に解説していきます。
逸脱リスク
「逸脱リスク」とは、儲けるチャンスを逃すことです。
トラリピでは一定のレンジ相場内を行き来する価格帯にトラップを仕掛けることで細かく利益を重ねていくのですが、レンジから上抜けしてしまうとトラップが無意味になります。
こうなってしまうと、仕掛けた範囲を越えた時に価格が上下しても意味はなく、機会損失となります。
ただし、こちらのケースはあくまでもプラスになるチャンスを逃してしまうだけで、マイナスが出ることはありません。(買→売トラリピの場合)
損失リスク
「損失リスク」とはその名の通り、損失が発生して最悪の場合ロスカットされて損失が確定するリスクです。
損失リスクを抑えるには2つの方法があります。
- 仕掛ける範囲を拡げる
- 損失リスクの方向に寄せる
仕掛ける範囲を拡げる
私がおすすめしているのは、この方法です。
初心者はつい狭いレンジ範囲でたくさんの仕掛けを設定しがちですが、それは損失リスクを生む危険があります。
安全に運用するためには、想定レンジ範囲を広げるようにしてどんな相場状況でも仕掛けが発動出来るようにするのが良いでしょう。
(狭いレンジで仕掛けを増やしすぎるリスクについては後述)
損失リスクの方向に寄せる
もう一つは、価格が下がる(上がる)事を見越して、仕掛けの価格設定を変更する方法です。
こうすることで、収益性を保ちつつ利益を重ねるチャンスを逃しません。
しかし、相場は一度大きく価格が変動するとその後再び大きく上下する可能性もあるので、初心者にはあまりおすすめできません。
運用中にレンジ幅を抜けてしまった場合の対応
予め余裕をもったレンジ幅管理ができればそれがベストですが、運用中にレンジ相場が抜けるケースもあります。
その場合は上と下どちらに抜けたかに応じて対応しておきましょう。
レンジが上に抜けた場合
レンジが上に抜けた場合は買いポジションはすべて決済されて注文がどんどん未発注状態になっていきます。
そのまま放置しておくのは機会損失になるので、レンジ幅を上にずらしましょう。
レンジが下に抜けた場合
レンジが下に抜けた場合は、買いポジションをいくつか持った状態で含み損が出ています。
ただし、一部未発注の買いポジションがあるので、下の価格で注文されるように価格をずらします。
注文出来る本数が追加出来る場合はらくトラ試算表でシミュレーションした上で、ハイリスクになりすぎないように注文を増やしていきましょう。
最適なレンジ幅の設定方法はこちらの記事で解説しています。
トラリピで失敗する人はリスク管理が甘い
トラリピで失敗してしまう人はリスク管理の甘さが原因で、損失を大きくしているケースが多く見られます。
証拠金に対して仕掛ける本数を増やしすぎている
トラリピは仕掛ける本数を増やすことで、少しの価格変動でも効率的に利益を出すことが出来ます。
例えば、一番わかりやすい「米ドル/日本円」のペアで見ていきましょう。
2018年の6月から12ヶ月の6ヶ月間では110円~115円あたりの価格帯で推移していました。
では、110円~115円の価格帯に6本の仕掛けを用意するとしましょう。
その場合、110円~115円に一気に変動しても、最大6回までしか利益を得るチャンスはありません。
(110円、111円、112円、113円、114円、115円の合計6回で発動)
では、仕掛ける本数を5倍の30本にすればどうなるでしょう?そうなるとチャンスも10倍になり、少しの価格変動で多くの利益を得るチャンスが増えます。
しかし、この発想はトラリピを始めたばかりの初心者が陥りがちな思考です。
効率的に利益を得られる反面、先程説明した「損失リスク」「逸脱リスク」で一気に損をしてしまう可能性があります。
仮に本数を増やしてしまった場合、何が起きてしまうのか。
マネースクエアが提供している「らくトラ運用試算表」というシミュレーションツールを使用することでリスクを見える化することが出来ます。
仕掛けを増やした場合のシミュレーションを見てみましょう。
運用資金30万円で上記の設定をした場合、約107円でロスカットされてしまいます。
過去6ヶ月間では、結果的にロスカットされない設定で運用することが出来ますが、かなり危険な設定ということがわかりますよね。
では、その後の2019年1月分のチャートも確認してみましょう。
株式市場の暴落の影響により、一気に円高となり107円台まで価格が変動しています。
過去6ヶ月のチャートでは運良く稼ぐことが出来ていましたが、利益を追求しすぎた設定にすると、このような変動で一気に損失が出るリスクがあります。
相場に絶対はありません。少しの変動でもロスカットされてしまうような設定をしている方は典型的な失敗パターンです。
過去3年、5年、10年と長期間のチャートを見ていくと105円、100円以下まで変動する可能性も否定はできませんよね。
数ヶ月上手くいっただけの実績を信用せず、大幅な値動きでも耐えることの出来る設定を心がけてくださいね。
レバレッジを掛けすぎている
もう一つ注意すべきなのが「レバレッジ」の設定です。
レバレッジとは、元手に対して倍率をかけて取引する方法で、元手が30万円で取引額が60万ならレバレッジ2倍、90万ならレバレッジ3倍と計算出来ます。
FXでは元手の資金に対してこのようにレバレッジを掛けて取引することが可能になっており、トラリピでは最大25倍までのレバレッジをかけることが出来ます。
つまり、元手が30万円なら一気に750万もの取引ができるわけですね。
レバレッジを高くかけることでより効率的に資金を動かせるようになる反面、高くなるほどハイリスク・ハイリターンになります。
レバレッジを高くするほどロスカットラインが近くなり、損失が生まれるリスクも大高くなります。
例えば、トルコリラ/円のペアで元手30万円で、レバレッジ3倍と6倍のロスカットラインを比較してみましょう。
仕掛けるレンジ幅は35~45円の範囲とします。
- レバレッジ3倍:27.41円でロスカット
- レバレッジ6倍:34.55円でロスカット
比べてみれば一目瞭然で、7円もの差がありますね。
レバレッジ6倍の場合は35円の幅から少しでも外れてしまえばロスカットされる危険性があります。
レバレッジの管理は必ずシミュレーションした上で慎重に扱うのはもちろん、基本的には3倍以下の低レバレッジでの運用をおすすめします。
証拠金維持率は300%以上を維持する
「証拠金維持率」とは投資に使用している証拠金に対して、どれだけの資金を投資に使用しているかの割合です。
トラリピでは、この数値が150%を下回るとアラートメールが送信され、100%以下になると強制ロスカットとなります。
ロスカットされてしまうと含み損が確定することになるので必ずチェックしておきたい数字ですね。
証拠金維持率の計算方法は以下のように求めることが出来ます。
- 維持率 = 時価残高 ÷ 証拠金必要額(内ポジション分) × 100
時価残高30万円で証拠金必要額(内ポジション分)が10万円の場合、「30万円 ÷ 10万円 × 100 = 300%」という計算式で求めることが出来ます。
証拠金維持率は常に最低でも300%以上を維持しておくといざというときにもロスカットされにくくなります。
確認するのも面倒!という方は500~1000%を維持しておけば、リーマンショッククラスの暴落が来ても大丈夫です。
ロスカットを避けるための対処法はこちらの記事でも紹介しています。
トラリピのリスク分散をする方法
トラリピに投資する上で注意しておくことは「リスク分散」をすることです。
そのためのはこの3つを意識するといいでしょう。
- 複数の為替ペアに分散投資する
- 余剰資金を残しておく
- 為替FX以外の資産運用をする
【1】複数の為替ペアに分散投資する
トラリピでは複数の為替ペアを選ぶことが出来るので、複数のペアに分散投資しておくことが大切です。
こうすることで、一つの国の国政によって左右されることなく安全に運用することが出来ます。
おすすめの通貨ペアは「豪ドル/NZドル」と「NZドル/米ドル」です。
長期間レンジ相場で値動きが予想しやすくロジックにハマりやすいです。
逆に「米ドル/日本円」などの値幅の動きが大きい通貨は思わぬ損失が出ることもあるのであまりおすすめはできません。
また南アフリカランドとトリコリラは、レンジ相場でない予想外の動きをするため長期間放置して稼ぎたい方にはおすすめできません。
最新のおすすめの通貨ペアはこちらでも紹介しています。
【2】余剰資金を残しておく
これは株やFXなどの金融商品だけでなく、現金として残しておくリスク分散方法です。
投資は失っても問題のない余剰資金で行うのが基本ですが、投資に回す余剰資金もいくらか残しておくといざという時に安心です。
初心者の方は、一度利益が出るとついその投資先に資金を一挙集中しがちですが、ずっとその利益が出続けるとは限りません。
相場の変動などで含み損が膨らみ、証拠金維持率が100%を下回る危険性もあります。
そんな時、投資に使える余剰資金があれば追加で資金を入れてやり過ごす事ができます。
また、最悪の場合ロスカットですべての投資資金を溶かしてしまっても余剰資金があればまたやり直すことが出来ます。
【3】為替FX以外の資産運用をする
為替FXは資産運用の一つの選択肢としては有力ですが、万能ではありません。
お金を増やすことを目的として資産運用するのであれば、暴落リスクに備えて別の金融商品にも分散投資するようにしましょう。
私がおすすめしている金融商品と資産運用サービスはこちらです。
- 不動産投資:オーナーズブック
- 株式投資:トライオートETF
- 事業投資:クラウドクレジット
- 貸付投資:Funds(ファンズ)
- ロボアドバイザー:THEO(テオ)
トラリピと同じようにほったらかしでも運用出来るサービスは他にもあるので、ぜひチェックしておいてくださいね。
トラリピのリスクを理解して始めよう
最後にもう一度トラリピのリスクを回避するための要点を確認しておきましょう。
トラリピのリスクを回避する方法
- 仕掛けに余裕をもって損失リスクに備える
- 証拠金維持率は300%以上を維持する
- 余剰資金を残しておく
利益を上げるための設定方法を追求するのも大事ですが、必ずロスカットラインがどこにあるのか?というシミュレーションもしておきましょう。
いくら稼いでも、ロスカットされて全て損失で失ったら意味がありませんからね!
不安のある方は私のおすすめしているリスク抑えめの初心者向け設定を参考にしてください!
トラリピを30万円で運用設定する方法はこちらで解説しています。
※「トラリピ」は、取引の利益を保証するものではありません。