仮想通貨「ネム(NEM/XEM)」に関する特徴や将来性、取引所での買い方、対応ウォレットと保管方法について紹介しています。
ネム(NEM/XEM)はどのような仮想通貨なのか、プロダクトの紹介や口コミについてもまとめているので参考にしてみてください。
目次でサッと確認
ネム(NEM/XEM)とは
ネム(NEM/XEM)は2014年1月19日にBitcoin Talkでutopianfutureというハンドルネームの人物からプロジェクトが発足し、2015年3月31日に公開されました。
元々「New Economy Movement(新しい経済運動)」の略でしたが、現在はNEMという固有名詞になっており、「平等で自由な経済圏」を作ることを目標とした仮想通貨です。
ネムの特徴はマイニングがなく、新規発行されるコインが無い点です。
その代わりに、ハーベスティング(収穫)と言う形でネットワーク貢献者たちに報酬が配布されています。
ネムではPoIを採用している
少しむずかしい話なので、よくわからない人は飛ばしても大丈夫です。
なぜネムにマイニングが無いのかというとPoI (Proof-of-importance)と呼ばれるシステムを採用しているからです。
ビットコインなど従来の仮想通貨が採用しているPoWシステムでは、大規模なマイニング環境(高額なCPUや電気エネルギー)を持っている人に報酬が偏るため、利益の分配が正しく行われません。
資本力があるお金持ちが、採掘用の工場を用意してマイニングすればその人ばかりに報酬が行ってしまいますよね。
ネムではコレを解決すべく、ネットワーク貢献者(他通貨でマイナーにあたる人物)に対してインポータンス(重要度)と呼ばれるPoIスコアを付与しています。
PoIスコアが高い人物には報酬が高く与えられるようになっており、NEMを使用して、取引を増やすことでPoIスコアを上げることが出来ます。
以下のような条件でスコアを上げることが出来ます。
- 一度に1000XEM以上の送金
- 残高が10000XEM以上のユーザーからの入金
- 30日以内の取引(43200ブロック以内)
もちろん自分のアドレスに送金してもカウントされないような仕組みが実装されているためズルはできません。
詳しいPoIシステムの説明についてはこちらを参考にしてください
参考:XEMの説明書
ネムのハーベスティングとは
ネムのハーベスティングとは誰でも簡単に参加し、報酬を分配できるシステムのことです。
従来のビットコインなどでもマイニングを行うことで報酬を獲得できますが、参加するためには専門の知識や機材を必要とするためとても難しいです。
ネムではこれを無くすために、パソコンで用意されているダッシュボードアクセスするだけで誰でもハーベスティングに参加し、平等に報酬を受け取れるシステムを開発しました。
ハーベスティングで貰える報酬は、ネムの送金手数料の一部です。
銀行と違い、ネムは特定の誰かが管理しているわけではないので、送金手数料を山分けすることが出来ます。
なお、ハーベスティングを行うには1万XEMの残高が必要になるため注意しましょう。
ウォレットにXEMを用意しておけば、パソコンを起動しているだけで自動的に増えていきます。
詳しいやり方については以下の記事を参考にしてください。
テックビューロ社との提携・開発
テックビューロ社とは国内の仮想通貨取引所「Zaif(ザイフ)」の運営を行ってる会社です。
テックビューロ社はネムの開発メンバーと共に現在「カタパルト」と呼ばれる技術開発を行っており、日本での認知が特に高くなっています。
またネムの開発メンバーに日本人がいるため、日本での人気が特に高くなりました。
NEMの性能を大きくアップする「カタパルト」とは
ネムは現在テックビューロ社と「カタパルト」と呼ばれるものを共同開発しています。
Catapultは性能向上のためにその仕様全体を一新し、JavaからC++へと移行し、遅延軽減と双方向通信向上のため、httpプロトコルからsocket通信へと移行します。
Catapultは地理的に分散した状態でも、1秒につき4桁以上もの高いトランザクションを処理するなど、高スループットにも対応可能な、高いパフォーマンスを発揮する製品です。
▶参考:NEMとMijinそしてCatapultの関係とは?
これは簡単に言うと「ネムの取引処理能力を大幅にアップするアップデート」のことです。
現在の処理能力でも既にビットコインを大きく凌ぐ取引速度を誇るネムですが、これが更に強化されるようです。
具体的にどれぐらい早いのか、世界最速と言われているクレジットカードのVISAとも比較してみました。
- ビットコイン:7件/秒
- イーサリアム:15件/秒
- リップル:1,000件/秒
- VISAカード:4,000~6,000件/秒
- NEM:4,000件/秒
比べてみるとネムの取引速度ずば抜けて早いと言われている「リップル」ですら凌駕する性能を持っています。
実際にカタパルトが実装されれば、軍配はネムに上がるでしょう。
そして、VISAカードにも匹敵する処理能力とセキュリティが付く予定なので、トップクラスの性能に並ぶわけですね。
今後買い物や日常生活の決済手段として世界中で使われるようになれば、決済スピードは重要なポイントになるのでこれは期待出来ますね!
(2018年3月26日追記)
CATAPULT ANNOUNCEMENT: NEM officially launches Catapult Beta. Apply to participate in the early access program! Read the official press release here: https://t.co/JT1VvoiVDL#NEM #Catapult #mijin pic.twitter.com/IjBuiOAMpr
— NEM (@NEMofficial) March 25, 2018
カタパルトのベータ版がローンチされたと発表ありました。この様子であれば本リリース版も近々期待できますね。
ネム(NEM/XEM)の表記について
ネムの書き方や呼び方は人によって様々です。
表記が複数あるため、ネム、ゼム、NEM、XEMどれが正しいのか混乱している人も多いので整理してみました。
ビットコインに例えると以下のような感じです。
- ビットコイン=ネム:日本語名
- Bitcoin=NEM:英語名
- BTC=XEM(ゼム):通貨名
少し紛らわしいですがこのような関係性になっているので、どれも正しいといえます。
ちなみに、お金の「通貨名」というのは国際標準ISO4217で定められており、通常は頭文字二文字が国を表しています。
しかし、どこの国にも属していない仮想通貨などは頭文字を”X”にするのが正しい表記になります。
- USD→アメリカの法定通貨 ドル
- JPY→日本の法定通貨 円
- XEM→国に無所属のネム
ビットコインは「BTC」じゃない?と思った方もいると思いますが、BTCの正しい表記はXBTになります。
しかし、これでは分かりづらいということで普段はBTC表記するのが普通になっているようです。
ネム(NEM/XEM)の基本情報
通貨名 | XEM |
---|---|
公開日 | 2015年3月29日 |
最大発行枚数 | 8,999,999,999枚 (約90億枚) |
ブロックシステム | PoI |
公式サイト | https://nem.io/ |
ホワイトペーパー | こちら |
テレグラム | こちら |
こちら |
ネム(NEM/XEM)のチャート
2018年1月ごろから120円から240円を超える高騰を見せています。
単価が安いことから仮想通貨初心者からの人気が高く、日本の国内取引所の「Zaif」や「Coincheck」でも取り扱っている事で一気に日本円がなだれ込んできました。
2018年にはコインチェック社のハッキング事件と市場のバブル崩壊で右肩下がりとなっていましたが、マネックス傘下に入りサービスを再開してから徐々に価格を上げています。
しかし、2019年1月には相場の下落とハッキングによる売り圧、NEM財団の破産の危機により5円ほどまで下落しています。
ネム(NEM/XEM)の将来性・今後
リップルにも勝る取引処理スピード
ネム(NEM/XEM)の最大の強みは取引処理の速さです。
これにより実際に世界中で使われるようになっても、送金の速さで注目を浴びる可能性は高いといえます。
ビットコインでは取引増加による送金づまり(スケーラビリティの問題)が起きたことで、BCHをはじめ、取引処理速度の早い仮想通貨に人気が集まりました。
既に国内でも人気の高い「リップル」にも勝る性能を持っているため、短期的にも日本円が流れ込む可能性は高そうですね。
決済手段としてのポジションが確立出来るか
ネム(NEM/XEM)の目的は「平等で自由な経済圏を作ること」を理念として開発を進めています。
しかし、個人的にはこの目標は具体性がなくアバウトな内容だなと懸念している部分があります。
既に人気の高い仮想通貨には、どこで使われるのかという分かりやすい役割(ポジション)があります。
- ビットコイン:価値の保存(デジタルゴールド)
- イーサリアム:スマートコントラクトのプラットフォーム
- リップル:銀行間の国際送金、お金の仲介役
- モナコイン:サブカル文化圏での決済やチップ
- ネオ:高速送金可能なプラットフォーム
このように、他の時価総額の高い仮想通貨は、すべて「どこで使われるか」というポジションやビジョンを明確にしています。
そのため、特定の界隈では爆発的に普及が進んでいます。
処理性能だけで勝負するにはネオ(NEO)などに勝つ必要があり、「この役割はネムにしかできない!」というポジションがありません。
もちろん世界中で使える使いやすい仮想通貨というビジョンも素晴らしいものです。
しかし、仮想通貨の元は「誰でも自由に口座を持ち、送金が出来る非中央集権的な経済圏」を作るために開発されています。
最終的にはどの通貨も目標としている機能が実装されれば、普及のために処理性能やセキュリティの向上を始めことが予想されるので、今のままでは厳しいかもしれません。
今後、どういった差別化をして他の通貨と戦っていくかが重要になりそうです。
コインチェック社の流出事件でのイメージ低下
2018年1月のコインチェック社のハッキング事件でネムが盗難されたことで、この通貨は一般にも広く知れ渡りました。
既に仮想通貨に参入している人にとっては、コインチェック社側のセキュリティの甘さが招いた事件とわかっています。
ネム自体の問題ではないので、本質や価値がなくなるわけではありませんが、新規に参入する人にとってはイメージ低下が起きている可能性は高いです。
2017年では以下の特徴を持つ仮想通貨が伸びる傾向にありました。
- 日本円で買える
- 1枚の値段が安い
- 耳にしたことがある
ネム(NEM/XEM)もこれに該当しており、「Zaif(ザイフ)」や「Coincheck」に上場している、買いやすい通貨として一気に日本円がなだれ込んできました。
しかし、今回の事件の影響を受けて今後の値動きにハンデを負った可能性は否定できません。
2019年1月にNEM財団の破産の危機
https://twitter.com/hs_maji/status/1090815411841511424
$XEM の開発者の方からイヤな言われようをされています😢
「(ネムの)プラットフォームで働いている人は多くない。日本に行かない限り、コミュニティもそこにはない。このプラットフォームに開発者がもっと必要。」
だけれども資金難で従業員を解雇。
下げ相場がもたらす現実は予想以上に厳しそう。 pic.twitter.com/ssFDOKFh5h— ʀʏᴜ [ᴄʀʏᴘᴛᴏ ɪɴᴠᴇsᴛᴏʀ] (@Ryugunsun) January 31, 2019
トレストさんのツイート。NEMコミュニティファンドに資金は存在するので、NEMコミュニティ全体では資金が足りない危険がある訳ではない。
今回の話は、NEM財団の旧体制の膿出しが主眼。https://t.co/seprZ0ZsG3— 星 暁雄 (@AkioHoshi) January 31, 2019
2019年1月には資金難の影響によりNEM財団が破産の危機に瀕しているというニュースが報道されました。
財団は緊急資金として750万ドル(約8億円)が必要な状況となっており、通貨の将来性に大きな陰りを落としています。
この資金はコミュニティファンダより資金調達を行う予定です。
これについて、NEM JAPANは以下のような声明を発表しています。
私達は財団の業務・指示系統・ミッション等を、完全にゼロから建て直します。これは新しいリーダー達と共に財団が大きなコミュニティを支えるために存在し、目標達成のため再出発する事を意味します。
▶コミュニティの皆さまへーNEM JAPAN
ネム(NEM/XEM)の取引所・買い方
日本の取引所で購入する手順
ネム(NEM/XEM)は以下の国内の取引所で日本円で購入することができます。
個人的にはセキュリティ面もしっかりしているZaif(ザイフ)はおすすめです。
ネム(NEM/XEM)を買うまでの手順は以下のとおりです。
- Zaifに日本円を入金
- 取引所でXEM購入
Zaif(ザイフ)でネムを購入するまでの手順はこちらの記事を参考にして下さい。
Zaifの無料登録はこちら(公式サイト)
現在新規登録停止中
海外の取引所で購入する場合
ネム(NEM/XEM)は以下の海外取引所でもビットコインなどで購入することができます。
- Binance
- Bithumb
- Bittrex
- OKEx
海外取引所でXEMを買う手順は以下のとおりです。
- 国内の取引所でビットコインを買う
- 海外取引所にビットコインを送金
- ビットコインでXEMを購入
※国内取引所からの送金が必須なので、はじめての方は必ず上記で紹介している国内取引所などに登録しておきましょう。
ネム(NEM/XEM)を一番安く買える取引所
ネム(NEM/XEM)のニュース
時期 | ニュース |
---|---|
2019/3/11 | ネム財団の再編成後 資金調達第一弾が完了 |
2019/2/1 | ネム財団が組織再編を発表 |
2018/11/12 | コインチェックの入出金再開 価格が一時50%を超える高騰 |
2018/4/9 | コインチェックが 大手金融機関マネックス傘下へ |
2018/2 | 盗難されたネムが 闇サイトで売買される |
2018/1 | コインチェック社から 約580億円分のネムが盗難 |
ネム(NEM/XEM)の口コミ・評判
今後、返ってきた現金を何に使うか、他の取引所に入れるのか、どの仮想通貨を買うのかなどについて、今回のことはかなり参考になったでしょう。
コインチェックの対応は良かったのですが、既に $XEM 自体の価格も上がってきているし、セキュリティの問題もある。 #NEM は着実に名を挙げましたね。— Coin Japan − 仮想通貨・ICO − (@CoinJapan) 2018年1月27日
$XEM
12月25日中国3大取引所OKEXに上場。すでに一段上昇で115円前後に上昇( ̄∇ ̄)ここからどこまで期待できるかなー?そろそろ150円到達してみませんか?ね!ネムさん!笑笑#XEM— 10倍銘柄の夢想転生( ゚д゚)つつつ (@garokenosikome) 2017年12月24日
テンセント経営のWeChatでのWallet追加で $XEM あがってたんですね。公式アカウントでのツイートなら信頼度も高く高騰要因ですね。中国都市部ではほとんど現金のやり取りは見られないそうですから、これは期待できますね。
— Lieudit (@LieuditR) 2017年12月9日
ネム(NEM/XEM)の公式ツイッター
Join our meetup and be part of the growing community of NEM, where you can learn and contribute to what we do!
Meetup group: https://t.co/wHSX0ujeUB
Telegram group: https://t.co/iTo8T5iZ9D pic.twitter.com/CwzOs1qNe9
— NEM (@NEMofficial) 2018年2月4日
ネム(NEM/XEM)のウォレット・保管方法
ネム(NEM/XEM)は下記の既存のウォレットを使用して保管しておくことをおすすめします。
(取引所に預けたままにしておくとハッキングによって失う可能性があります)
TREZOR(トレザー)
「TREZOR(トレザー)」は仮想通貨のハードウォレットの一つです。タッチパネルに対応しており、日本語マニュアルなども充実しており初心者におすすめです。
PCを持っていなくても仮想通貨を持ち歩くことが可能になっており、国内の主要通貨を始め、500種類以上の幅広い通貨に対応しています。
NanoWallet(ナノウォレット)
「NanoWallet」はNEMの公式ウォレットで無料で使うことが出来ます。対応通貨はNEMと、NEMのモザイクのみとなっています。
PCを持っていなくても仮想通貨を持ち歩くことが可能になっており、国内の主要通貨を始め、500種類以上の幅広い通貨に対応しています。
ネム(NEM/XEM)は買うべき?
ネム(NEM/XEM)ですが、実際に買うべき銘柄なのか気になるところですよね。
管理人の独断と偏見で、以下のポイントをチェックした上で買うべきかどうか考察してみました。
ネム(NEM/XEM)の評価
プロダクトの将来性 | |
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時価総額の安さ | |
単価の安さ | |
取引所の少なさ | |
コミュニティの人気度 | |
総合評価 |
スペックの高さや認知度の高さはリップル並の価値を持っているといえます。
しかし、今後はどのようなポジションで認知を拡大していくか、実需を増やしていくかという点で課題が残りそうです。
コインチェック社の流出事件を含め外因的な不安材料はありますが、ポテンシャルの高い通貨だと思います。